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執筆者の写真okatsunet

【Blog】故郷のあたたかさ ~No More Blues~


東京に越してきてから向き合った音楽があります。

私が普段働いているレコ屋ではJazzを専門に扱っているのですが、切っても切り離せないジャンル。ボサノヴァというブラジル音楽。 憧れはあったものの、自分自身はあまり知らなかった世界でしたが、 初めては小野リサを聴いたのが高校1年の頃でしょうか、当時FMで流れていたのがきっかけで薄々聴きはじめました。

それまで2000年代の音楽で好きだった、orange pekoeというユニット(ご存知の方も多いと思います)のHoneysuckleという曲や、 CMでも良くながれていたクレモンティーヌさん。

好きな感じだ~!と思って様々探していたのですが、当時の私は俄然ソウル党(笑)、歌い方もハリ、凝りまくっていた自分には、 何と言うか、ナチュラルなのに複雑な音楽と言う印象で、好きだけれども全く手の届かない憧れの場所でもありました。

同時期に知ったのが、これまたご存知の方も多いと思うのですが、Norah Jones。 ジャジーポップというジャンルを確立した歌姫。父がカーステでFMを流して聞かせてくれた衝撃を未だに忘れていないのですが、私にとっては衝撃で、その後の黒人音楽の世界を広げるきっかけとなり、良い意味で手ごろにジャズを聴けるはしごを掛けてくれた存在でした。

彼女に大いに影響されたこともあり、そこから私の歌や音楽の好みは少しずつ変化していくのですが、 同系統のシンガーというところで探していたところ、出逢ったのがダイアナ・パントン。 ボサノヴァスタンダードをアルバムとして初めて買ったのは、「To Brazil With Love / フェリシダージ~わたしが愛したブラジル」でした。

これ公式のリンクじゃない気がするので怖いのですが是非アルバム買って頂いて(笑) 彼女の存在を知ったのは、JEUJIAさんという京都の烏丸にあるレコ屋さん。試聴して買ったこのアルバムがきっかけなのですが、私にボサノヴァブームを与えた人でした。

しかしながら私の方向性はどちらかと言うとジャズに向いていたので、私が上京する前はしっかりとそちら方面を掘り下げることもなかったのです。

東京にきてからラテン・ブラジル音楽も取り扱う場所で働くようになってからは、意識しておらずとも情報として入ってきますし、 ジャズ・ボーカリストなれば、そのあたりのスタンダードは十八番、定番中の定番です。

よく歌われている、ということもあり認知度も高いNo More Blues(Chega De Saudade)は私がはじめにトライしたかった曲です。 小野リサさんのアルバムでもイチオシの曲でしたが、私の特に好きなバージョンはEliane Eliasのこのライブ。。こんな軽やかに歌いたいものです・・・

JOHANNA GRUSSNERというジャズシンガーも歌っているのですが、こちらはApple Musicにしかなかったので、登録されている方は是非聴いてみて下さい。

そしてこれまたnanaという音楽アプリの話になるのですが、そこで知った細田好弘さんと言うギタリスト。

この方との出会いもあり、ライブを見に行き触発されました。 私とほぼ同じタイミングで!近々アルバムをリリースされる予定なので是非、聞いていただければと思います。 → 公式サイトはこちら。

その後も様々な人のバージョンを聴き、ポルトガル語にも挑戦したり・・・

それに素敵なコラボが入ったり!

この曲、今回のレコーディングでは英語での収録ですが自然に、一番楽しく気持ちを乗せて歌えた気がします。正直、自己ベスト出てます(笑)

さて楽曲の話に戻りますが、 ポルトガル語においてのChega De Saudadeは、別れた人を忘れられずに想いあふれ、離れてしまうことに対して哀しむというような内容なのですが、 英詞バージョンはその逆というか、これまた違ったニュアンスで訳されています。

意味を要約すると、

もうこんな悲しみはうんざりだ。 そう、ただ故郷だけが私の居場所。 お別れをする出会いがあるならば これ以上の憂鬱、恐れや悲しみがあるならば、 幸せを探しあちこちを回るのはやめよう。 私のふるさとだけが懐かしむべき、私が幸せになれる場所だから。

こんなところです。

前向きなのか、俯き気味なのか良く分かりませんが(笑) どちらかというと未練たらたらというよりは、ある程度踏ん切りがついているような感じもします。

私の解釈は、以前こちらのブログにも書いたようなニュアンスでした。

↑お時間あれば是非ご一読ください。

幸せは過去の過ちから逃げて 故郷に帰りしときに気づく 帰る場所はあなたか いややはり故郷の穏やかさだったか 離れてこそ 遠いふるさとの愛を想う

私がブックレットにしたためた文章です。

何かあったとき、ずっと離れていた故郷に帰るときに いつもは感じないような気持ちになったり、新たな発見がある。

離れてこそ気づく慈しみが、私の故郷 京都にはありました。 勿論、友人、母、父、兄弟の言葉や支えあって今がある。

離れてこそ分かる気持ちに出会えて、

本当に心からこの「No More Blues」の世界に入り込めた気がします。

私のアルバムの中でも3本の指に入るくらいお薦めです。

是非、アルバムでは聴き込んで欲しいです♪


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